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2018年05月11日 (金) | 編集 |
総説のテーマが少し(いや、かなり)長いのですが、書きたい内容をそのままテーマにしました。

栄養・食教育の枠組み「料理選択型栄養・食教育」、主教材「食事の核料理(主食・主菜・副菜)を組み合わせる」・「3・1・2弁当箱法」による食事法:
1970年代からの食生態学研究・理論・実践の環をふりかえり、現在の栄養・食問題解決の課題を問う

内容や表現法を十分に吟味できないままの総説で、恥ずかしい限りですが、試行錯誤のプロセスをそのまま書いた全文を読んでいただくのが最良です。名古屋学芸大学健康・栄養研究所年報第9号に掲載されています。

身の程知らずに、82歳という年甲斐もなく、40年以上の間思策してきたことをそのまま書いたので、失礼なことも多々あるでしょうが、お許しください。
また、本総説では自分(達)自身が直接携わった研究・理論・実践の環(実際は実践・研究・理論・次の実践の環の順序)の事例を中心に書きました。
いわば、「食生態学」を視座に据えた自分(達)史のようなものです。関連する他の研究者等の研究・実践成果の活用に至っていません。
これらについては続編として次の段階でまとめたいと考えています。
本総説で、再確認したこと、新たに加筆した概念や定義、現在直面する緊急課題への対応等多くありますので、ぜひ、事実認識の違いやミス、意見、新たな課題等お聞かせいただきたく、お願いいたします。
課題のいくつかを挙げておきます。順不同です。

①(「目的と背景」に書いたように)現在全国中、栄養・食・健康関連の教育や行政で、食物選択の行動目標や評価指標として「主食・主菜・副菜を組み合わせる」食事法が使われている。
この学術的な論拠は、私の保健所栄養士時代の悩み(いわゆる研究成果が実生活の問題解決に役立ちにくい悩み)に端を発し、現場で蓄積してきた実践や研究報告等を、食生態学の視座で総括した論文、「料理選択型栄養教育の枠組みとしての核料理の構成に関する研究」(足立己幸.民族衛生.1984:50:70-107)にあるとされている。
しかし、すでに30年以上を経過し、食環境・食生活スタイル・健康状態や食事パタンは大きく変化し、かつ多様化がすすみ、とりわけ、経済格差・教育格差・健康格差・食格差等とそれらの連鎖が拡大し、深刻化する今だからこそ、本研究の出発からの願い、「誰でもが理解しやすい、実行しやすい、共有しやすい」食事法が必要になっている。
「何をどれだけ食べたらよいか」はだれでもが食べる時に直面する食物の形態である「料理」をどう選択し、「食事」にするかの方法、すなわち「料理選択型栄養・食教育」なら可能に思う。今こそ、出番到来のタイミングだといえる。
しかし、一皿盛り、丼物中心の食事スタイルの日常化が多い中でも「誰でも理解しやすい、実行しやすい、共有しやすい」ために、どう対応するか?

②解決策の一つは、食材料選択や栄養素選択に分解する昔ながらのほうほうがよいと考えられ、実行される場も少なくない。
これでは、究極的には「必要と考えられる栄養素の混合物」や、調理をしない人には理解しにくい「食材料群別重量表示」に分解する方法への逆戻りで、味も香りも形も見えない「モノ」の選択になる。

③私は、[日本の伝統的な食事文化として、実生活の中で育ってきた「主食・主菜・副菜を組み合わせる」食事法が栄養学的に有効である]という仮説で出発した検証結果を基礎に料理選択型栄養・食教育を提唱し、その主教材としての「主食・主菜・副菜を組み合わせる」や「3・1・2弁当箱法」による食事法を提唱してきた。
が、今流行している「1食分を全部大皿へ盛り合わせた皿盛りや」や丼物主流の新スタイルで、どのように活用できるかを検討している。
世界中が高く評価している日本型食事の特長は、個々の料理の美しさやおいしさだけでなく「主食と主菜と副菜を組み合わせた1食」という「食事の組み立て方」にあるのだから。

④これらの課題解決には
❶あいまいなまま使われている食生活のキーワードである食物、料理(主食、主菜。副菜も)、食事、食生活、食環境、食などの概念規定(定義)を学術的にも検討し、全国的にも関係者で共有できるようにすること。

❷「何をどれだけ食べたらよいか」の回答は「主食・主菜・副菜を組み合わせる」だけでは解答にならず、「3・1・2弁当箱法」による食事法のように,適量を知る食事法との合体で完結できること。

❸しかし、「3・1・2弁当箱法」は食物量を容積で量る「升」の役割に過ぎない。
または年代を超えて使える適量の目ばかり力形成の、身近な道具である。だから、弁当箱を使って食物量を確かめた後に、いつも使っている食器等に盛り直してはじめて「食事」になる!!

➍残されている大事なことはひとり一人の多様な個性、心身の健康状態、ライフスタイルや地域の特徴を生かし、特徴を育てる食事法や食事づくり法を自由に、いきいきと開発することだ。
すでに、各所でこのレベルでの実践が個々に行われているので、これら展開の法則性を明らかにし、かつ「誰でも理解し、実行し、共有できる」楽しい方法の開発である。

⑤これからは、前項②の課題解決のためにも、➃の➍の方法開発、その根拠となる研究、その結果の生活現場での検証、だれでも自由に活用できる理論化の「環」がうまく回るようにしていかねばならない。
そのためには特定部分に固執する前に、人間の食事の営みや地域の食の営みを全体俯瞰する力とセンスが必要になる。

書ききれないので、ぜひ、全文を読んでいただき、討論・会話をしたいです!

NPO法人食生態学実践フォーラムの総会研修会[6月3日(日)13時から]本資料を基に基調講演を行います。関連する実践事例を加えてのシンポジュームを開きますので、ぜひ参加し、討論の輪に入ってほしいと願います。

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